株とは企業が事業の資金調達のために発行しているもので、投資家がこれを買うことで企業は事業を拡大することができます。
つまり、株式を買う(株主になる)とその企業のオーナーになるのです。
ここでは、稼ぎ方とリスクを解説しています。
株での稼ぎ方
株での稼ぎ方は、①値上がり益(キャピタルゲイン)、②配当金(インカムゲイン)、③株主優待、④貸株サービスの4つがあります。
①値上がり益(キャピタルゲイン)
値上がり益とは株価が上がった時に発生する利益のことで、例のようにして得ることができます。
例)
1株=1万円の株を10株買います。
1万円×10株=10万円
その株が1株=3万円に上がった時に全部売ります。
3万円×10株=30万円
つまり、30万円-10万円=20万円
→20万円の利益が発生
このように安い時に株式を買い、株価が上昇した時に売って得られる利益を、値上がり益といいます。
②配当金(インカムゲイン)
企業が純利益(利益から税金を引いたもの)を株主に還元することです。
権利確定日に株を持っていればもらうことができます。
配当を行っていない企業もありますが、年に2回(中間決算と期末決算)支払われる企業がほとんどです。
配当の割合は優良な企業でも株価に対して2~3%程度であることが多く、安定している企業は高い傾向にあります。
また、無配の企業や業績によって増配したり減配したりする企業もあります。
ここで知っておきたいのが「配当性向」と「配当利回り」についてです。
配当性向とは、その期の純利益から企業がどのくらい配当金を支払っているのかパーセンテージで表したものです。つまり、純利益からどれだけ還元しているのかが分かるのです。
配当性向は以下の計算式で求められます。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
配当金を出さずに資金を事業に回している企業もあります。
特に急成長中の企業の配当性向は低くなる傾向にあり、配当性向が低いからといって、必ずしも悪い企業とは言い切れません。
配当利回りとは、買った株価に対し1年間でいくら配当を受けられるかを示した数値です。
配当利回りは以下の計算式で求められます。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
③株主優待
株主優待とは、企業が株主に対して利益を還元するサービスです。
内容は自社製品や割引券、商品券など企業によって様々です。
株主優待を行っていない企業もありますが、1,000社以上が行っています。
また、株主優待をもらうためには権利確定日に一定数の株式を持っていなければなりません。
④貸株サービス
貸株サービスとは、買った株式を証券会社に貸出して金利を得ることです。
金利は貸し出す銘柄と証券会社によって異なりますが、0.1~6.0%となっています。
貸株サービスの魅力は、株で運用するため現金が必要ない点や含み損がある株式でも利益を出すことができる点、貸株中でも解約手続きなしで自由に売却できる点などがあげられます。
しかし、株の所有者が貸出先になるため、配当金や株主優待、議決権はなくなります。
株のリスク
考えられるリスクは、①値下がりリスク、②流動性リスク、③倒産リスクの3つがあります。
①値下がりリスク
値下がりリスクとは株価が下がるリスクのことで、最も身近なリスクです。
その株の買い手が多く、人気がある状態の時に株価は上がり、売り手が多く、人気がない状態になると株価は下がります。
株価が上がる時・下がる時は以下の通りです。
<株価が上がる時>
・業績が好調な時
・業績の見通しを上方修正した時
・復配・増配した時
・新しく事業を展開した時
・合併・買収した時
・鞍替えした時
<株価が下がる時>
・業績が不調な時
・業績の見通しを下方修正した時
・減配・無配にした時
・不祥事など問題が起きた時
・同業他社が倒産した時、不振である時
・円安・円高の影響を受けた時
株価が下がり始めたら売ることも検討しましょう。
②流動性リスク
流動性リスクとは、好きな時に売買できないリスクのことです。
流動性の高い銘柄・低い銘柄があり、取引が少ない銘柄の場合は安値でなければ売れないこともあります。
1日のうちに1回も売買が成立しないことも珍しくないため、注意が必要です。
③倒産リスク
倒産リスクとは、保有している株の企業が倒産するリスクです。
倒産してしまうと株券は使えなくなるため、損害は大きいです。
銘柄を慎重に選ぶことでリスクを軽減できます。